breathing accumulative



「     『 雨が降ってきた。バナナの葉を一枚もいで頭にかざした。雨のかからない空間ができた。…
      この光とこの音の下に居るものは雨に当たらない。この葉をさして歩くと、葉先がゆれる。
      ゆれるたびにトトトと葉の上の水が落ちる。相当な雨らしい。』  吉阪隆正

人々がとどまる場所に大きな、通り過ぎるところに小さなシェルターを生み出すシステム。人々の動きに応じ、シェルターは互いの関係を保ちながらひしめくように寄り添い、離れる。大小のシェルターはゆるやかに密度やスケールを変え、連なりをもった風景として立ち現れる。縮んでは膨らみ、呼吸するように小刻みに震える。」

傘のように開閉可能なシェルターを、都市における広場と連続する道路に展開し、雨や日光から守られたアーケード空間をつくるリサーチ。単一のシステムでアーケードをつくるのではなく、潜在的に存在する都市空間の多様性をあぶりだし増幅する為、段階的に変化できるシェルターシステムの構築を試みた。

全体性/連鎖する関係性/まとまり、といった都市空間的な価値に重点を置き、それを構成する個々の建築的要素のふるまいを規定する。同時に個々の空間のもつ差異を助長する。そうしたモデルを展開していくことで、以下の特徴をもった空間モデルの可能性を追求する。
―連続的なグラデーションの中にあり、境界が明確でない、漠然と広がっていく全体。
―混在し、干渉し合う領域。音、暗さ、触覚。揺れ動く認識。
―人が生活を営む現象の連続、その積み重なりが時間/空間をかたちづくる。

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コロキウム形態創生コンテスト2011 入選 © kwwek// 木内俊克 + 砂山太一